当科は1911年に「理学治療科」として創立され、数多くの優秀な放射線人材を育てて来ました。1990年に台大病院は各科を再編成し、当科は放射線診断科、核医学診療科と放射線治療科に分けられ、また1993年に放射線診断科は画像診療科と改名されました。
当科の主な仕事は、レントゲン検査及び特別検査、CT、MRI、各侵襲性放射線治療などです。当科の先進的な検査技術でいろんな疾患の治療効果を高めることができます。
- コンピューター断層撮影
当院は64列マルチスライスCTを導入し、0.37秒で一回転、0.0625センチまでに細かくすることができ、しかも一回転で断層画像を64枚撮影できます。伝統の撮影装置に比べ173倍早い、精確度も0.33mmに達しています。画像は食パンのような立体体積で保存され、またコンピューターにより立体情報が水平的、垂直的に2D断面と3D立体画像に組み合わせることができます。さらに3Dは同じ密度の画像だけを取り出すこともでき、これにより、同じ密度で構成する骨、血管、肺臓、腸の3D画像を組みだすことができます。また、撮影速度が速いため、心臓拍動の瞬間も撮ることができます。最新の応用方式は主として以下の五つです。
- 心臓CT検査
短時間で済む高解像度非侵襲性検査。動脈穿刺或いはカテーテル挿入によるリスクを免れることができます
- 血管造影及び脳部灌流画像
血管造影は目的の血管に造影剤を注入し、連続撮影を行うことで全身血管像を得ることができます。伝統の侵襲性血管撮影より短時間で済み、リスクも少ないです。
脳部灌流画像とはコンピューター断層撮影で脳血流分布状況の状況を得て、確実に急性脳梗塞患者脳部の血流状況を把握します。
- 高解像度胸部CTスキャン
レントゲンでは把握しづらい部位例えば心臓後部、縦隔、或いは1センチ以下の病変なども、これにより診断することができます。
- 仮想内視鏡
仮想内視鏡により、挿入することなく胃内視鏡、大腸内視鏡、気管支鏡と同じ検査効果が得られ、0.5センチまでの異物、腫瘍やポリープも発見することができます。
- CTスキャンによる3D立体映像組立及び3D術前計画
64列マルチスライスCTは体積方式で画像を保存するため、3D立体映像を組み出すことができ、また、臨床医も映像を用いて、前もって手術部位と病症を確認し、手術手順を決め、映像で手術の進行をシミュレーションすることもできます。
- MRI
当初は核磁気共鳴CT検査と呼ばれていたが、「核」という文字への抵抗で、現在のMRIと呼ばれるようになりました。MRIとは人体に含まれる水分子原子核の磁場特性を用いて臓器の形状を知ることである。人体を高磁場にさらし、特定の周波数のラジオ波で照射することにより、体内の水分子の原子核磁場はそろいます。照射をやめれば、原子核はまたもとの状態に戻ります。その時に原子核の位相や周波数変化を信号に転換し、その信号によって個々の位置を解析し、画像を描き出します。
MRIは非侵襲性で、どの方向でも撮影することができ、医者も高解像度の3D映像で診断することができます。しかもレントゲンなどの伝統検査方法のように、患者に放射線被曝のリスクを与えることがありません。人間は体内に異変が起こるとき、水分子の分布もすぐに影響され、その故、我々はMRIで良性と悪性のをすぐ見分けることができます。
MRIは多方面に応用され、急性脳梗塞に対する脳部MRI、磁気共鳴血管画像(MR angiography)、機能的磁気共鳴映像法(functional MRI)、脳白質画像(Tractography)、心血管造影検査、乳房MRI、MR尿路造影(MR urography)、MR胆管膵管撮影(MR cholangiopancreatography)、妊婦MRI検査などがあります。また、この分野における多種な応用研究:脊髄及び乳がんの灌流画像、多方面拡散画像法(Multidirectional Diffusion Weighting)、動脈スピンラベリング法(Arterial Spin Labeling)、磁化率強調画像(Susceptibility-Weighted Imaging)及び各部位のMRスペクトロスコピー(MRS)が行われております。
- 血管撮影検査
- 肝動脈塞栓術
肝臓がんの治療は、主に手術切除を中心に行われていたが、国内で手術切除できる患者は二割以下しかおりません。手術が受けられようとしても、三ヶ月以内で再発する確率が65%もあります。それに再発した患者のほとんどは、もう一度手術を受けることができません。 ただし、肝動脈塞栓術は血管に抗がん剤と塞栓物質を注入し、肝臓がんに栄養を送っている肝動脈を塞いで、がんを壊死させる方法で、術後再発した患者にも適用します。現在国内で一番よく行われているのも肝動脈塞栓術です。
- インターベンショナル神経放射線手術
インターベンショナル神経放射線手術とは針のような大きさの微小ステント、塞栓物質、薬物、バルーン、ステントなどを植え込んで神経システムにかかわる各種の疾患を治療する方法です。この方法は動脈塞栓術、動静脈奇形塞栓術、動静脈瘻孔塞栓術、急性脳梗塞血栓溶解、静脈洞血栓溶解、頭蓋内血管形成術、ステント植込み術なども行えます。伝統的な脳手術や脊椎手術と同じ効果が得られ、かつ手術の傷口が小さいため、回復が早いです。
- 非血管系IVR画像誘導
非血管系侵襲性治療とは、医学画像装置のもとにカテーテル、糸、ステントなどで心血管以外の部位に侵襲性治療を施す方式である。応用としては胆管ステント留置術、経皮的椎体形成術、ラジオ波焼灼治療、ラジオ波焼灼神経除痛治療、経皮的針生検法、経皮的ドレナージなどがあります。
医療チーム
臨床では神経、胸部、体腔、骨格筋肉と小児放射線の五つの科目に分けられます。勤務医と研修医たちが各科目の主任の指揮下で、毎日治療に励んでいます。また優れた看護士と放射線技術士により、最適な看護を提供いたします。
医療成果
- 当科は毎年1,000人以上の患者にカテーテル治療や動脈塞栓術を行い、または900人ぐらいの患者に非血管系侵襲性治療、四万人ぐらいの患者にコンピューター断層撮影、約二万人の患者にMRIを行い、臨床と研究ともに経験が豊富です。
- コンピューター断層撮影で小児先天性心疾患は100%の診断率に達し、心臓手術の際にも大変役立ちます。
- 神経科、内科、神経外科との協力で、MRIを用いた標的位置を同定する脳深部刺激療法と視床下核深部電極刺激で、パーキンソン病の患者を治療しました。
- 1996年に台湾初のGDC白金螺旋状スタイレット塞栓で脳血管動脈腫瘍の治療を施しました。当科は台湾で唯一脳血管塞栓治療訓練が行われている病院で、GDC白金螺旋状スタイレット塞栓に関する訓練教育は毎年行われてあります。
- 脊髄MRI灌流画像及びMRスペクトロスコピーに関する研究を進めています。
- 拡散スペクトラムイメージングで脳部白質拡散方向を予測し、大脳白質の複雑な構造の分析を行っています。
- D.T.S. (Diffusion Tensor Spectrum)で冠動脈硬塞した後の心筋線維の乱れや再構成を研究し、左心室拡張機能の非侵襲性診断を致します。
- 心臓外科の協力で、台湾初と二番目の腎臓大動脈腫瘍に対するステント植込み術を完成しました。
- 台湾初の胆管ステント留置術を執行。